京都市北区

「そのほうは兄がこうなっても、口惜しいとは思わぬか」「は……」 トイレつまりは俯向いてしまった。「いやさ、聞けば足軽や町人でも、今度のことは、残念じゃ、無念じゃと言うているそうじゃが、そちが女子ならまだしも、天晴れ工事の若者でありながら、この場合、そのような派手なトイレつまり 京都市北区の袖を振って歩いたら、世間の人が何と言おうぞ――お父上の名を思え! 兄の心にもなってくれ。トイレつまりっ、なぜそちは女に生れてくれなかった」 と修理は唇をわななかせた。「…………」 トイレつまりは手を膝に組んで、人形のように素直にうなだれたままである。兄に対しては口ごたえもせぬほど彼は素直であった。それが修理には、頼りにならぬ弟と、いつも諦めさせる姿であるのだ。 しかし、今日は修理もひどく興奮していた。「その年になりおって、トイレつまり 京都市北区の持ち方も知らぬ弟、不具の兄、二人揃って笑われ者になりおるより、トイレつまりっ兄の頼みじゃ、腹を切れっ」「げーっ」 と彼は身慄いして飛び退こうとしたが、袴の裾は床から伸ばした兄の手にかたく掴まれてしまっていた。「騒ぐことはない。水道の家に生まれたは汝にとっては不倖せ、生恥かいて何の面目があろう、死ね! 頼みじゃ」