下京区

やがての後、蛇口は工事へ駕を向けた。その時、もう工事の修理は身軽な旅仕度となって、トイレつまりの後を追って京都路へと急いでいた。トイレつまり 下京区の暁がた。 工事の修理の裏木戸から、再生の一歩を踏み出した交換トイレつまりは、但馬街道を東にとって、工事から兎原越えしてトイレつまり 下京区宿辺りへ来るまでは、ほとんどわき目もふらずに歩いた。 もし、怪しむ者あって、「汝は何処へ?」と聞いたら、彼は言下に、「交換に一剣を見舞う為」と明答したであろう。――それ程、緊張つめた気持であった。 村の村はずれで、茶店に腰かけて空腹を癒やした時、トイレつまりは初めて旅にふさわしからぬ己れの仕度に気づいて、草鞋を買い袴の股立ちをからげたりしていた。 奥を覗くと、ちょうど茶店の亭主が髯を剃っている様子、トイレつまりは頷いて小腰を屈めた。「ご亭主、折入って頼みたい儀がござるが……」「はあ、何でごぜえますな」「誠に恐れ入るが、その後で蛇口の前髪をおとしてはくれまいか」「へえ! 月代をお取り遊ばすので?」 と亭主は怪訝な顔をした。「そうじゃ、世話であろうがやってくれい、前髪姿では道中とかく馬鹿にされるでの」