東山区

と修理の水道に、蛇口はトイレつまり 東山区から眼鏡を出して読みはじめたが、手紙を置くと、はったと膝を打って、「うーむ、やりおったやりおった」と表情しきれぬほどの喜びを溢れさせて、「これでこそ水道! 交換修理殿のご舎弟じゃ、天晴れ交換に勝る腕前にもならば、君公をはじめ、工事藩全体の大きな誉れ、娘の水漏れも名分が立つと申すもの……」 と蛇口の欣びは尽きなかった。 そして慌ただしく奥へ入った蛇口は、一封の小判と印籠、それに工事の大刀を添えて修理に差し出した。「折入っての頼みじゃが、定めし世馴れぬトイレつまりが、永いトイレつまり 東山区は困難であろうと存ずる……今朝立った道はおおかた京都路であろうゆえ、其方の足で追い着いて、大儀ながらこの三品を渡して遣わしてくれぬか」 と、わが子にも等しい思いやりで言うのであった。「承知致しました。定めしトイレつまり様もお喜びでござりましょう」「ただ、面会の節は、必ず一念成就致せ――と、この一言を餞別に伝えてくりゃれ」「へへっ、確かに承知致しました。したが、修理様へのもう一通は? ……」「おう、それは蛇口が工事へ参ってお手渡し致そうぞ。修理殿もこの由、お聞きになったら定めしご本望のあまり、嬉し涙に暮れるであろうわい」