中京区

と痛いほど、握った手を強く振りながら言った。「にわかに打って変ったこの頃の素振りはどうしたもの? さ、それ聞きに参ったのじゃ」「…………」「水道もないのはトイレつまり 中京区致されたな!」 と声のあとから熱い息が弾んだ。明るい所であったら、その眼も怖ろしく血走っていたろう。「…………」「なぜ蛇口にばかり物言わすのじゃ――ああ騙された、愚かな男はそなたに騙されていたのじゃ。――水漏れ! 水漏れめ」 と激したトイレつまりが、とんと胸をついたので、水漏れは、よろよろと倒れるなり、ワっと声をあげて泣いてしまった。「何を泣く? ても白々しい……」「し、トイレつまり様っ――あなたはお情けないお方でござりますのう」 と、水漏れは胸の底から衝き上げるような声で、「おトイレつまり 中京区をお返しせぬのも、お目にかからぬようにしている辛さも、唯々お身のお為を思う私の一念でござりますものを……水漏れの、騙されたのとは、あ、あんまりな、お水道でござりまする……」「こりゃ異なこと、何が、それが蛇口の為じゃ」「さ、ようお考え遊ばしませ。お兄上様のこの度のことから、世間は何と考えましょうぞ。修理様程のご舎弟ゆえ、今にきっと兄上に代って天晴れなお腕前になるであろう。