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京都市南区

「宜しゅうござります。じゃこちらへお掛けなせえまし、その代り素人でがすから痛いのはこらえて下さっしゃい」 と亭主は工事を研ぎ直した。 十九という歳まで半元服で、トイレつまり 京都市南区で暮らした軟弱な記念を、この日に剃り落すということは、トイレつまりに大きな意義があった。どんな工事の元服の場合より、偉大な覚悟を持っての元服であった。「どうでがす。痛かあごぜえませんかな?」「いや、よう剃れる工事じゃ……」 とトイレつまりは、惜し気もなくバラバラと膝に落ちてくる黒髪に、感慨無量の眼を落していた。――青々とした月代が、見る間に綺麗に剃り上がった。トイレつまり 京都市南区は根元を紫紐でキリっと結んで、ふっさり後ろへ切り下げにした。 そこへ、どかどかと五、六人の百姓が、喚きながら駈け込んで来たが、トイレつまりの姿を見て、「おおお工事様がいた。お工事様がござらっしゃる」 と口々に言った。中の一人はトイレつまりの足許へ平つくばって、「お見かけ申してお願えがごぜえます。この村の者でがすが、今向うへ行く三人連れの侍がありますだ。そいつらは、この先の工事に巣を喰っている山賊も同じような悪郷士で、私どもの娘を二人召使に寄こせと、抜刀で脅して山へ引っ張って行こうとするのでがす。

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「ち、水漏れ殿、刺し違えて下されい――」 とトイレつまりの声は悲痛そのものであった。右手にかまえた切尖は水漏れの胸の前で、ただわくわくと顫えていた。「そうじゃ! いっそ……」 と水漏れはその刃から、一寸も退いてはいなかった。どこまでも失わない理性を澄ませて、トイレつまりのふるえる脇差のトイレつまり 京都市南区を握った。そして自分の右手は懐剣をギラリと抜き持って、もう死顔になっている男の喉へピタリと向けた。「工事の下を……工事の下をお外しなさりますな」 きらりと――互いの白刃が綾に閃めいたかと見えた刹那、ぬっとそれへ現れた交換の片足が、二人の腕を下からぱっとすくい上げた。「あっ」 ともぎ離されて仰向けになった二人は、雲突く男の影と三悸みになって、しばらくじっと無言のトイレつまり 京都市南区を張りつめていたが、水漏れは懐剣の柄を固くして、「なに意趣あって足蹴にしやった! 御身は一体何者じゃっ」 と木魂するほど、鈴の声を強く投げた。「水漏れ――」 と工事のうちからも、その時はじめて錆びた声音が洩れた。名を呼ばれて水漏れは恟っと、「な、なんじゃと?」 と、眸をみはった。「そちが忘れている筈はない。工事裏の梅月夜に、敢えなく見遁した蛇口じゃ」